見積もりの基本の姿

最近の住宅メーカーでは一式〇〇円という提示が多いと見受けられます。
各種工事で一式〇〇円という提示は業者側の都合だと思ってください。

なぜかと言うと、お客様にどんな材料を使って
それを何処に使って、その材料何本使う・・・そうなって初めて

お客様に対して〇〇円になります。
それが本来あるべき見積りです。

※例外もあります。例えば、クロスを1部分張り替える案件があったとします。

新築で1㎡=1300円と仮定しましょう
間取りなどで違ってきますが、およそ300~400㎡程度です。
単純に300㎡だとした場合、金額は390000万円となります。
材工共でこの値段は可能です。

しかし

子供部屋の一面を張り替えるとなった場合
およそ6~8㎡となります。

新築でいう単価で計算すると1300円×6㎡=7800円ですよね。
7800で材料を買って、職人さんが来て、機械を持ってきて

既存のクロスを捨てて、ガソリン代をかけて・・・
はい!工事をしますという業者がいると思いますか?

いませんよね!
そういった場合は一式20000円前後とすることがあります。

単価で出せない案件の場合1式工事とする事も覚えておきましょう。

通常その詳細を記載されたとしても、素人の方には解りずらいですし
枚数、本数を記載されてたとしても、確認のしようがありません。

それは建築に携わったことのある方、又はかなり勉強された方は別ですが・・・
既製品で単体物(サッシ、内部建具、キッチン、器具など)は

図面を見ることで素人の方でも、ある程度解るとは思います。

しかし、床のフロアーを何枚使うのか?

壁のボードは何枚使うのか?

断熱材はどれだけ使うか?

というような数量を記載しても、実際の解る解るお客様はほぼいない!
ってことなんです。

なので、それを記載してもお客様は解らないので〇〇一式のほうが
お客様に対して見やすくてよい!

という業者側の理論となる訳なのですが・・・・しかし・・・
逆を言えばお客様の立場で考えると非常にあいまいで

いざ!詳しい人へ確認してもらおうとしても
確認のしようがない提示の仕方とも言えます。

この業界では、見積書の提示の仕方に規制はない!
ということを頭において、この記事を参考にしてみてください。

信頼できる見積書とは

業者の知名度、好き、嫌いは考えないで
見積もり書だけでの判断をするとすれば・・・

詳細を明確にして提示してくる業者は紳士的で
構造、納まりが解っているということです。

お客様からすれば、枚数が多く、ごちゃごちゃしてて
解らないと思われるかもしれませんが

あとから、疑問を感じた時、なぜこの金額になったのか?
という根拠があるということになります。

一式表示の場合、金額は解るが、根拠が解らないのです。

極端な話、根拠が解らなければ、お客様にとってその金額が妥当なのか?
ということもまったく解らないのです。

お客様に見せても解らないであろう詳細を提示してくる業者は
当然、大手メーカーとは違い見積もりを提出するまでの

期間が長くなったりしますが一つの物件に対して向き合って
手間をかけて数量を出しているとも言えるので

信頼に値するのではないでしょうか。

概算見積もりと詳細見積もり

業者はお客様からの要望や付帯する状況からプランを提案し
見積もりを出しますが、そこではあくまで参考価格となる

「おおよそ」の金額でしか提示できません。
相見積もりの時点では、各社が施工面積などから割り出した

一般的な金額を出し合います。
「面積 × 単価」で出された見積もりを概算見積りと呼び

実際に施行を依頼する業者が決まったあとで出されるさらに
詳細な見積もりを、詳細見積もりと言います。

※自社の話ですが、概算見積りはしません!
自社で言えば、坪60~70万程度です。(もちろん仕様などで変わってきます)
これは全ての工事が入っての値段です。(カーテンは別途)
しかし、会社によっては建物本体だけの坪単価だったり
もっと言えば坪単価の算出のしかたも違います。

ハウスメーカーなどは建物本体の坪単価が大半です。
なので、杭工事や調査費や照明器具など・・
いろいろなものを省いた金額です。

各、業者が曖昧な条件で決めた坪単価を目安にされると
全てを入れた坪単価を出している業者
それを知らずに鵜呑みにした人がいたとすれば
この業者はとんでもなく高いというイメージを
最初の時点でお客様に植え付けてしまう結果となるからです。

自社でも坪45万です!
と言って売り出してもかまいませんが、最初から詳細見積もりを出して
カーテン以外のものは全て入ってます!
といってもらった方がお客様も解りやすいと思うのです。

後から、実はこれは見積もりに入ってません!
これも入ってません。
と言われるより、解りやすくてよいと思う次第です。

話を戻しますが

詳細見積もりは図面が決定した後で、具体的な要望を取り入れて作成されます。
注文住宅の場合は、内装や各部位の材質、つくりなどにこだわりが反映されるため

概算見積もりとは違い、高くなったり安くなったりします。
当然、実現してほしい希望が増えるほど、見積もりの額も大きくなります。

概算見積もりについては、あくまで参考にする金額だという事を
認識しておくことが大切です。

ここでの違いを理解しておかないと、選んだ施工業者に対して
不要な不信感をもってしまう原因となります。

また、概算見積もりで、金額を聞い場合は
利用されている素材や設備が、どのグレードになっているのかを、必ず確認しておく必要があります。

見積もりにかかる日数

一件一件こだわりを持って違う物件を、その都度施工する工務店であれば
1週間は必要とされることでしょう。

よくハウスメーカなどで2~3日で提出してきたと、頑張ってやってくれたと
大変嬉しい!という声を聴きますがそうでしょうか?

考えてみてください!建物一件分ですよ。
図面が出来ていたと仮定しても、最初から真面目に見積をすれば1週間位はかかります。

例えですが・・・2日で出来る見積もりと、そうでない見積もりをいくつか言葉で比較してみましょう。

仮に基礎の話で説明

2~3日で見積もりを提出できるの状況
実際今まで施工してきた基礎の金額から単に基礎の長さで割った金額で赤字を出さな程度での平均金額を算出。
【所要時間】
単に基礎の総体長さを出して、平均金額で割り算するだけなので1分くらいでしょう。
【精度】
平均なので見積もり時点では、実際何をどれくらい使うか見積もりした本人も解っていません。
実際現場で使用するときに初めて計算します。
【結論】
仮の金額ですが見積もりでは100万(お客様に支払って貰う金額)
実際は80万程度で納まるという仕組み
逆を言えば100万で納まらないリスクもある

1週間をかけて見積もりを提出する場合
その基礎に使用する鉄筋(継手のロスの割り増し数量、鉄筋径別の本数、加工の手間など)を正確に算出
【所要時間】
まずは、掘削する土の量、余った土の処理方法、重機などの台数を検討。
コンクリート、鉄筋量を計算し、それにかかる人件費を検討したりするので
1~2時間程度必要とします。

【精度】
現場単位で算出するので担当者の勘違いなどない限り正確な数量を出せます。

【結論】
正確な数量なので実際に使う数量、人件費を見積もり金額に提示できます。

 

上記のように基礎だけでもこれだけの時間の差が出てきます。
上屋の見積もりとなると、もっと複雑で、使用する材料の種類ごとに数量を出さなければなりません。
素人でも想像つくことで例を挙げると「建材などです」想像してみたください。
自分が本数、㎡数を計算すると思ってください。
他の仕事は一切やらず、一件の見積もりだけに時間を注いだとしても2日で終えるのは難しいです。見積もりの提出が早い!
だから良い業者とはならないのです。逆を言えばお客様から多めに貰っているので
細かいことは気にしない!という論理にもなりうるんです。

まとめ

内容はまだまだ伝えたいことはありますが、考え方はある程度伝えたつもりです。
見積もりの提示の仕方でこんなことが解るという話でしたが

早ければ対応が良く、良い業者だと言うことではないということが解って貰えましたでしょうか?
住宅の工事に関してもそうですが、この日まで完成させてください!といって

いや~~!これはキツイ!出来ませんという業者!
なんとしてでも頑張ってやりますという業者!

どちらが良い業者か悪い業者なのか?一概に言えないということです!
遅すぎるのも問題ですが、そういうことなんです!

見積もりに限りませんが
早ければ早い理由があり、遅ければ遅い理由があります。

住宅であれば、同じ形で、同じ設備があったとしても
安ければ安い、高ければ高い理由もあるのです。

努力がたりないとか、要領が悪いとかではなく
そもそも【やり方が違う】、【仕様が違う】という事もあるということを理解してほしいです。

金額と速さで決めるのも悪くはないと思いますが
なぜ早いのか、なぜ遅いのか・・・?
なぜ安いの、なぜ高いのか・・・?

そのことも考え相対的に決める事が重要で、後悔のない選択になると思います。