鹿部町役場新庁舎が完成するまで!
皆さんは普段、いろいろな施設を利用してるいると思われますが
普段、どのようにこの建物が出来ていったのか?
そんな疑問を持ったことはあるでしょうか?
ほとんどの皆様が気にすることもなく建物を利用してる事だと思われます。
現場を完成させるためには、安全管理、工程管理、品質管理、原価管理を
元請施工会社の技術者で仕事内容を割り当てをし、個々に責任をもって工事を進めていきます。
この4大管理をちゃんとしていなければ
現場はめちゃくちゃになってしまいます。
ピーク時では1日130人程度の作業員が現場に入っています。
自分も含めて5人でその人数の職人さんをまとめていかなければなりません。
職人さんの安全管理はもちろん!
施工を定められた仕様通りに行っているか
品質は保たれているか?工程は工程表通りに進められるか?
そのような事を各職人さんに対して管理をしていかなければならないので
想像以上に大変な作業となります。
職人さにとっても、我々がこれじゃダメ!
などいろいろ言われて作業していきます。
どちらも大変な思いをして工事を進めていきます。
下請け業者はもちろんですが、工事に関係する関係者の皆様の苦労があって
初めて建物が出来上がっていくのです。
今回は、現場がどのように造られていくのか工程ごとに
簡単に説明していきたいと思います。
仮設工事
まず最初に行う工事が仮設工事です。
仮設工事は、各工事ごとにいろいろと安全などのために
行わなければならない工事の一つです。
この仮設工事の計画の良し悪しで、作業員が快適に作業できるか決まってきます。
さらに、この計画次第で人工や日程が変わってきたりします。
この仮設の出来次第で、1っか月で終わるものが1か月以上かかったりします。
仮設物は日程、人工の金額に影響がでるので重要な計画となります。
自分の指示一つで数十万はすぐ吹っ飛ぶので、工事全体を把握する必要があります。
現場敷地内を区切るための囲いを設けます。
我々が事務所として使うハウスです。
この規模工事では、この場所が会社と言っても過言じゃありません。
ここに入ると、皆さん本当の会社に行くことはなくなります。
自分もそうですが、9か月もの間、会社にほぼ行ってません。
4月に事務所に戻って、街を探索したら
知らないうちに新築住宅が何棟か建っていてびっくり!
9か月も同じ現場に常駐し、現場と家の行き来しかしてなければ
鹿部町もここまで変わるんですね( ;∀;)
上の写真は地足場を組立ている状況です。
鉄筋、型枠を組むために必要な足場となります。
この足場計画も作業にかなりの影響力を及ぼします。
基礎が1F床が終わり
建物本体の足場を組立ている状況です。
杭工事
通常、杭芯(杭の打つ場所)にオーガーをセットして穴を掘ってそこに杭を打ち込んでいくのですが
今回の工事では先に杭を打ち込む部分を全て全周機械にて掘削して一度埋め戻します。
そして又杭芯を出して、オーガーにて掘削をして杭を打ち込むといった作業です。
同じような事を2度やらなければ、ならないのでその分、時間もかかってきます。
なぜ、そうなったのか話せば長くなるのでここでは控えます。
掘削機械搬入
これが掘削機械本体です。
地盤に重みをかけて掘削していくため
この機械の重さはなんと34tの重さがあります。
こうやって見てるだけではピンときませんね。
掘削作業
縦に長い筒状のものがケーシングと言われるものです。
この鉄の筒を回しながら転石を砕いて、杭を打ち込みやすくしていきます。
杭工事に関し得ては各工程の写真を写して行かなければなりません
杭一か所分の掘削作業の写真で20枚程度の工程写真を写します。
次の工程の杭打ち作業も20枚程度打ちしますが
現場から5分と離れる事が出来ない状況となります。
吊られている(爆弾みたいなもの)のがハンマーグラブです。
これを、ケーシング内部に自由落下させて、内部の砕けた土を排出します。
こういった作業をずっと続けていくのです。
杭打ち作業
穴を掘って埋め戻ししたところに、再度杭芯を出して
杭を打ち込んでいきます。
この作業もまた、穴を掘って杭を打ち込んでといった同じ作業を
ずっと続けていきます。
こういった作業を続ける事、1か月半
杭工事は完了となりました。
土工事、地業工事
土工事
今度は自分たちが高さ管理をしてひたすら基礎となる部分を掘っていきます。
掘って、コンクリートを打ち込む
こういった作業が、この時点から増えていきます。
地業工事
まずは、独立基礎の捨コンを打設したのちに、梁の捨コン(位置を出すためのコンクリート)を打込みます。
基礎工事
独立基礎、基礎梁工事
この時点でもはや9月です。
今年中に外部足場を解体する予定を立てていましたが、厳しい状況でした。
地業工事を終え、基礎工事の状況です。
地業工事で打込んだ捨コンの上に鉄筋を組んだ後に、型枠を組みます。
この辺りから品質を確保するための、自主検査などが増えてきます。
鉄筋の本数、太さ、継手、定着長さ、圧接の形の確認そんたいろいろ
仕様、設計図通りになっているのかを、自分たちが確認をして
証拠写真を写していきます。
自主検査が終わったところで、設計事務所、発注者がわの検査があったりします。
その一連の確認をして問題なければ
そこへコンクリートを流し込み基礎が出来上がっていきます。
1F床コンクリート
基礎の型枠を脱型(取外し)して埋戻しをしていきます
埋戻した部分は、土間
そうでない部分は
床下ピットとなる部分なので埋戻しをしませんのでスラブとなります。
ほぼ、ピットとなっています。
このコンクリートの下には点検用に人が入れるようになっています。
躯体工事
ここからがいよいよ躯体工事です。
この躯体工事がおわるまでは忙しさが絶好調です(笑)
4階の躯体が終ったのは12月のはじめ頃です。
現場での安全指示、工程、納まりの指示、図面のチェック、図面書き、今後の打合せ
型枠屋さん、鉄筋屋さんの作業の進め方を的確に指示をしていきます。
鉄筋屋さんが終らないと、枠を組めない
枠屋さんが終らないと鉄筋を組めない
そんなややこしいことが現場では常に発生します。
その上、この時点で、どう仕上がっていくのかある程度は解っていなければなりません。
経験値がものをいいます。
柱の枠を取り付けている状況です。
この枠が出来ると、柱の枠に梁の枠を組み込んでいきます。
柱の枠、梁の枠を組み、その上にスラブの板を敷き込みます。
写真がその状況です。この上に梁、スラブの鉄筋を組んでいきます。
鉄筋、型枠を組みコンクリートを打ち込む準備が出来たところです。
そして上の写真が2階躯体コンクリート打設が終了した写真です。
2階躯体と言っていますが、実際は3階の床になる部分です。
コンクリート造の場合コ形に躯体を作っていくため
1階を造るときには、2階の床もセットで造っていきます。
なので写真は2階を造っているので
写真は3階の床という事になります。
この躯体工事では、コンクリートを打設したときは
左官屋さんはほぼ徹夜状態となります。
なので、我々も必然とそうなってきます。
左官屋さんは遅出とかやって調整しますが、我々はそうもいきません。
年齢を重ねた人間にはなかなかきついです。
建具工事
躯体工事が終わると次は建具を付けていきます。
建具を付けていかなければ、次の工程に進むことが出来ません。
AW、SDをどんどん取付していきます。
後続作業に追われ、一生懸命サッシを付けていきます
断熱工事
サッシ工事、金物工事が終わると
追いかけるよに施工していくのが断熱工事です。
写真はウレタンを吹付して断熱をしているところです。
左官工事
各箇所で躯体の、補修、調整をしていきます。
塗装下地となるところなので、気を使う作業となります。
仕上げの下地となるため、キレイに塗り込んでいきます。
防水工事(シール)
打ち継ぎ目地、サッシ廻りのシールの施工をします。
防水工事(アスファルト、塗膜防水)
この工事で不具合が生じると内部に水が浸入してきます。
自分も含め管理をする側は大変気を使うところです。
ピット内ケイ酸質塗布防水を施工している状況です。
バルコニー床ウレタン塗膜防水を施工しています。
屋上アスファルト防水をしている状況です。
塗装工事
外壁はホタテの買い殻が混じっている特殊な材料です。
施工もとても大変で櫛目が曲がっても修正がきかないので一発勝負です。
LSDの枠塗装をしたところです。
カウンターのクリヤー塗装を行っている状況です。
内装工事(金属)
断熱工事が終わってくると、壁や天井のLGSの組立作業を行います。
その他、金物の取付などいろいろな業者が入ってきます。
上階では躯体工事を行っていたりするので、この時点で
現場に入ってくる人の数がピークになります。
今日作業する内容、人数は把握していますが、特定の人を見つけるのが
ま~!しんどい(笑)
電話をしても、音で聞こえないことが多々あります。
天井の下地を組んでいる状況です。
壁の種類が何通りあったでしょうか、耐火壁、遮音壁、一般壁
厚さの違う壁、ボードの厚さの違う壁・・・20種類くらいあったかな?
話をしていて何処の壁なのかピンとこないこともあったりしました(笑)
内装工事(ボード)
ここまでくるとある程度の完成時期が見えてきます。
ここまで来ると、どんどん貼ってください!
そんなふうに職人さんにはっぱをかけながら作業を進めていきます。
内装工事(クロス)
最終的な仕上げです。
天井もありますが、クロスは主に壁が多いです。
内装工事(床)
床の仕上げが最終的に行われています。
2月頃から徐々に床の仕上げをしていきました。
こうなると、気分は完成といった所でしょうか!
執務室床タイルカーペットを敷き込んでいます。
廊下床長尺シートを張っているところです。
休憩室床プリントタイルを張っているところです。
このように各部屋の床を敷き込んでいきます。
木工事
議場の床、壁の道南杉を張っていいます。
この材料は特殊に不燃処理をしている材料です。
なんと注文して現場に入るまで4か月かかります。
この時点で材料が足りないと解って注文したとしても
今現在、そろそろ材料が来るかな?とおいう話です。
躯体工事のレベル管理もそうですが、この材料の図面、数量管理もプレッシャーがすごかったです!
違っていたら今頃、自分は鹿部にいないと思います(笑)
三階休憩スペースのカウンターを設置しています。
議場、窓側のルーバーを設置しています。
完 成
大まかで、簡潔すぎるとは思いますが、このような工程を積み重ねて
鹿部町新庁舎は完成しました。
現場周辺の住人の皆様のご協力!
工事に関係した職員の皆様!
工事に携わった、各会社の皆様!
いろいろな方の協力、ご苦労があり建物は完成しました。
庁舎棟(RC造)
庁舎棟(内部)
重機車庫棟(鉄骨造)
今回は付属棟があったので、付属棟の建物は自分が全て担当してました。
鉄骨屋さんが書いてきた施工図の図面を収まるようにチェックして直させて行きます。
鉄骨の図面チェックはしばらくぶりで少しあたふたしてました(^-^)
公用車車庫棟(既製品車庫)
これは上物は既製品なので大した問題ありませんが
基礎と既製品との取り合いに注意をしていました。
間違ったら車庫が建たないといった最悪な状況になります。
温泉槽(RC造)
温泉をためる建物です。
これは図面さえ収まるようにチェックし、設備関係の収まりさえ
チェックすればそんな難しいものではないです。